あみあみ紀行

低音を増やすことしか考えていないポタオデ趣味のたろがケーブルを自作したりイヤホンを買ったりする旅のお話

Fender FXA11 試聴レビュー

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Fender FXA11

 

イベント参加に関する記事投稿はこれが初めてだったりするのです

なんだかんだで面倒になって書かず終いということばかりで...

今回のヘッドホン祭は初日のそれも2時間弱だけの参加だったこともあり、試聴数もごくごく限られていたのでそれなら書くのも簡単かなと思った次第

限られた時間内で得た情報を数日に分けて小出しにしていくつもりです

 

まずはたろの個人的大本命から

非常に期待していたにもかかわらずそれを上回る完成度だったことから、購入時のレビューにも匹敵する分量になってしまっています

音の好みが相変わらずなせいで需要のよくわからない商品に限ってレビューに気合が入るものですから、果たして誰かの役に立つのやら

まあ、初代ラインナップのフラグシップモデルを買い戻して愛用しているほどにAurisonicsの音が大好きなのですから仕方がありません

今回のレビューは好きなブランドの布教も兼ねているのです

 

【追記 12/7】

発売日が12/14に決定したようです

予約もできるとのことなので検討中の方は(居るのかしりませんが)奮ってどうぞ

【追記終 12/7】

 

目次

スペック

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4BA+1DDのハイブリッドドライバ構成で高域と中域にBAを2基づつ、低域用にDDを採用しています

しかもこのD型ドライバが14.2mm口径ってんだからおったまげたもの

ここまで大きなドライバは1DDイヤホンくらいでしか使われていないのではないでしょうか

5ドライバ構成というだけでなく筐体もかなりコンパクトなのにこんな大口径のドライバをシェルに収められていることには驚いています

 

というか、あのメーカーのことだから

「口径デカい方が低域ヤバくなるから限界まで大きくしていこうぜ」

みたいなノリで作られてそうで非常に魅力的

昔から変わらずヤバい低音を提供し続けていますので、割とあり得そうです

まあ実のところわたしの愛機であるASG-2.5も全く同じサイズのダイナミックドライバを採用しているので、やってることは昔から全然変わってないのですが...

 

またBRAVOシリーズから採用されてきたGroove tuned bass portを本機にも搭載しており、ベントの役割を果たすとともに独特の低域表現を可能にしています

この謎テクノロジーの有無で低域にどれほどの違いが出るのかが前々から気になっているので、スイッチ切替え式のモデルが出ないものかと勝手に期待していたりします

外観

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ハウジングには金属製と思しき剛性の高いパーツが採用されており、マット調のグレー塗装が施されています

旧Aurisonics時代のBRAVOシリーズ以降Fenderへ移行してからも全体的に丸っこくなっていて格好良さに欠ける印象だったのですが、ここへきてようやくエッジの立った昔の武骨さのようなものが垣間見えた気がしてうれしい限りです

 

Fのロゴはこのハウジングプレートを切り抜く形で表現されており、非常にスタイリッシュ

今までのハウジングロゴは個人的にいまひとつだっただけに、今回のはかなりツボです

 

また内側の樹脂製シェルは濃い青色をしており、他にはない深い色味を放っています

L側筐体を見ればわかるように、先ほど話した大口径D型ドライバが存在感たっぷりに配置されておりその大きさが見て取れることでしょう

カナル付近に配置されたBA4基とコネクタを除いた残りの領域をいっぱいいっぱいに使ってダイナミックドライバをパズルのように頑張ってはめ込んでいるようなイメージです

 

TUNGSTENというカラー名のイメージを裏切らない堅牢な造りとクールさが上手く演出されていて、全体として非常に格好いいデザインに仕上がっています

正直この見た目だけでも十分購買欲を刺激されるクオリティになっていて、試聴中もニヤニヤと口元が緩みっぱなしだったことと思います

 

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さらに注目すべきはコネクタでしょう

Bravoシリーズ以降一貫してMMCXを採用し続けてきたのですがここへきてようやく2pinの復活です

2pin至上主義者としてはうれしい限りです

ハウジングが"箱"の役割を果たす疑似埋め込み2pinとなっており、素材の剛性も相まってコネクタ周りの強度はかなりのものになっています

 

メスコネクタが歪んでいるせいでオス側をまっすぐ挿せないなんていうAurisonics時代の黒歴史を想起させることもなく、さすがにまともなクオリティに仕上がっています

内側には突起がないためコネクタ側の溝の有無にかかわらず接続可能で、VE純正ケーブルのようなフラット用コネクタでも問題なく使用可能ですのでケーブルの選択肢も増えそうです(というかFenderの純正自体がフラット用のようなもの)

 

それに付属してくるケーブルはアンバランスと2.5mmバランスの2種類になるとかで、うれしい人はうれしい仕様のはず

たろの中ではminiXLR一強、次点で3.5mmという順位ですので、付けてもらってもどうしようもないのですが

音質

待っていました

これこそがFender、いやAurisonicsサウンド

やはりここのメーカーはハイブリッドイヤホンを作ってなんぼでしょう

 

ちょうど半年前には当時の最上位モデルとしてFXA9を発売していますが(今気づいたけどまだ半年しか経ってないのかよ...)、あちらは6BAということもあってかなんとも物足りない仕上がりになっていました

6ドライバのうちなんと4つを低域(低域と超低域に2つづつ)振り分けるという頭のおかしい構成だったにも関わらずそこまで低域がモリモリってわけでもなく失望させられました

やはりダイナミックドライバを積んでこそのAurisonics

もうBA機は作らなくていいです

 

やはり一番のミソになってくるのが低域の押し出しでしょう

これまでの頭の悪さを継承した抜群の量感で、頭を揺らしてくる暴力的なまでの重低音はさすがのひと言

それでいて中高域も奮闘していて、低域の押しに負けないような主張の強さ(負けてないとは言ってない)

低音バカなくせに周りへの被害が少なく済んでいるのは評価ポイントとなり得るでしょう

時間がなかったためちゃんと聴き込むことが出来なかったのですがこれは良いイヤホンに違いありません

試聴機が出たら速攻で聴き直しと洒落込みましょう

価格

でも、お高いんでしょう?

いえいえ奥さんそんなことはありませんよと言いたいところなのですが、これがまたぶっ飛んだ値段でして

16万円ほどになるとのこと

 

【追記 12/7】

発売日とともに価格も正式に発表されました

17万円だそうで...

もうここまでくると1万円の差も大したことないように感じてしまいがちですがされど1万

やっぱり買える日が来ることはなさそうです

【追記終 12/7】

 

さしものたろもそこまでの金額ともなれば易々とは手を出せません

いくら格好良くて音が良くて(好みで)理想的なイヤホンであってもです

さすがにこの値段はは盛りすぎも良いところじゃないんですかね

これはまあ最初っから全然変わらないんですけど、Aurisonics/Fenderって上位モデルの価格設定が地獄なんですよ

 

たろの愛機、ASG-2.5はフラグシップにして定価が8万円という代物ですので、そう思うとかなり安いかのように錯覚しがちですが、あくまで錯覚

Fenderに変わった今でこそまともなイヤホンのような面をしていますが、Aurisonicsとして販売していた頃なんて酷いったらありゃしない

コネクタは歪んでいるし低音調節ネジが急に効かなくなるし、何の前触れもなくドライバがお釈迦になったりと製品クオリティは劣悪なものでした

それがようやく高級メーカー相応の品質にまで追いついてきたというだけなのにこの強気な姿勢

 

そもそもFenderイヤホン自体購入者はあまり多いとは言えない状況ですので、FXA9の時といいここまで高いものを出して果たして購入者は現れるのか、採算は取れるのかと謎は深まるばかりです

日本での人気こそ悪けれど海外では受けが良くてボロ儲けってカラクリなんでしょうか

それとも音楽鑑賞ではない本来のステージユースを目的とした顧客からの信頼は厚いとか...?

いずれにせよアメリカ人の図太さには見習うべき部分が多いように思います

まとめ

製品としては非常に満足感に溢れるものになっているのは疑いようもありません

にもかかわらずTwitterで検索をかけた感じではそもそも試聴している人が少ない状況です

まあここに関しては十分予想の範囲内で、いままでのFenderの注目度を考えれば相応かと思うのですが、しかしながらその数少ない投稿の内容が思いのほか高評価が多くてちょっとうれしくなっています

 

ある程度気になっていた人しか試聴しないから感想もそれ相応に良くなるってことなんでしょうが、それでも

「思ったよりもいい感じ」

という意見を見かけるとなぜかこちらが誇らしくなってくるものです

まあ、さすがに価格に関しては全会一致で高価すぎるという見解に落ち着きそうですが

 

どうにかして手に入れたくて仕方がありません

値下げや型落ち、中古等々色々な条件がそろって安く手に入れることができる日が来ることを祈っておくばかりです