あみあみ紀行

低音を増やすことしか考えていないポタオデ趣味のたろがケーブルを自作したりイヤホンを買ったりする旅のお話

HIFIMAN RE800 RE2000 レビュー

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今回は珍しく購入レビューではなくですね

HIFIMAN JAPANさんから試聴機をお借りすることができましたので気付いたことをちょろちょろと

最初に試聴したのがHIFIMAN JAPAN事務所にて春に開催された先行体験会

それ以降は数度にわたって試聴はしてきましたが、静かな環境でゆっくりと聴き込めたのは今回が初めてですのでちゃんとしたレビューにできたかと思います


【追記】

2017年10月31日をもってRE800は販売を終了し、11月3日よりMMCXリケーブルに対応した後継機RE800Jへと完全移行する運びとなりました

今後市場にはRE800Jのみが出回ることとなります

チューニングも若干変更され、ブラッシュアップを図ったモデルチェンジとなっているようです

しかもRE800ユーザーには無料アップグレードサービスが適用されるとのこと

なんと心優しいことか

RE800をお持ちの方はぜひともHIFIMAN JAPANへご連絡くださいませ

【追記終】

 

目次

 

RE800

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こちらはとっくの昔に発売されています

RE2000こそ2000ドルだなんだと当初は騒がれたものの、こいつに関しても侮らざるべし、8万オーバーというなかなかに高価な代物

 

購入すればまず気になるのが外箱でしょう

札束でも出てくるんじゃないかというくらいに豪華な仕上がりです

恐らくは木箱にガンメタのシートを貼り付けているのでしょうが、演出としてはばっちりです

イヤホン一本に大層なことで(褒めてる)

と言っても見掛け倒しなもんで、本体を除けばあとはイヤーピースとイヤーハンガー、ケース、後は書類が諸々

 

付属品

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本体以外に入っているのはこれだけ

 

RE2000とあわせて唯一の不満点を挙げるとするならば、イヤーピース

おなじものが付属されているので両機に共通する内容なのだけど、なにしろこのイヤピが相変わらずニッチにもほどがある

 

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大抵のイヤホンだと同じ形状のもので複数サイズを用意しているのがほとんどですが、こいつらに至ってはサイズ違いという概念ではなく種類で攻めている

一見すると万人の耳に対応できるような豊富なバリエーションとも取れなくないですが、少なくともわたしの耳にぴったりと合うものはありませんでした

特にRE2000に関しては、後述するように筐体がかなり大きい上にそこそこ重いということもあってか安定した装着が難しく、しっかりと自分の耳に合ったイヤピでないとすぐにポロっと落ちてしまいます

一応コンプライのMとLが付属しているのでそれを使えば済むかもしれませんが、なにしろコンプライですから

あまり好みでないという方も多いことでしょう

社外イヤピに交換することになるかもしれませんね

 

デザイン

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HIFIMANから過去に発売されたイヤホンをご存知の方はお馴染みのツボのような形状

手持ちのRE400と比べてみても、大きさこそ多少の差はあれど似ています

ケーブルは布巻きではなく上から下までチューブ被膜のものになっています

試聴機だからでしょうけど、届いた時からへたりというか癖のようなものが付いており若干ぐにゃぐにゃ

逆に言えば、普段からの扱いが適当だとこうなってしまうので気を付けようということですね

 

音質

と言っても、音さえよけりゃどうだっていいんです

まず初めに聴いて感じたのが全体の透明感です

HIFIMANだからと多少なりとも濃厚な音を想像していた身からすればちょっと意表を突かれました

低域から高域に至るまでが非常にクリアで、HIFIMAN製品の中ではかなりさっぱりとした部類に入るものかと思います

特に高域が印象的で、かなり細かく表現できているうえに主張が強いため音だけ聴くとD型一発とは思えません

鼓膜をつんざくとまでは言いませんがハイが鋭く響くために使用者を選ぶのではないかとも感じられます

またその高域の特徴的な鳴り方のせいもあってか中低域にかけても非常に引き締まった音になっていて、ボワボワというような濃いものではなくシャッキリと歯切れの良いサウンドに仕上がっています

それこそRE600ではなくRE400系統の音と思っていただければよろしいかと思います

 

これも真鍮筐体ゆえの繊細な響きなのでしょうが、それにしてもかなり完成度の高いものになっています

ドライバから予想されるようなゆったりとした空気感というよりも、むしろ各社フラグシップ多ドラに見られるようなさっぱりとした音に近い印象

それでいてやはりHIFIMAN、お得意の中低域の表現力をしっかりと確保しているように感じました

 

RE2000

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RE800と同様に重厚な外箱

こちらは革調のシートで覆われていて、天面の銀色のモデル名は金属プレート

多少は違いがみられます

 

付属品

イヤピの種類は全く同じ

RE800はそこらで売ってるようなマカロンケース()だったのですが、こちらはちゃんとロゴの入ったメタルケース

 

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開封当初はケーブルを除いた本体のみがこのケースに収納されていて、ウレタンの台座を取り外せば普通のケースとして使用可能

 

めっちゃかっこよくないですか

ほしすぎるんですけど

別売りしてほしい

というかRE800だって8万円もするんだからこのケースにしてあげればよかったのに...

 

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あと少々謎なのがこのパーツ

純正のケーブルと全く同じ2pinコネクタが付属しています

これを最初に見たときは

なるほど、リケーブルを自作させるつもりなのか

などと謎思考に陥ったのですが、普通に考えれば自作用のパーツを付けてくるなんてあり得ないですよね

恐らくは、純正ケーブルが断線してしまったときの修理用という名目でしょう

かといって特殊な規格というわけでもなく、汎用の埋め込み2pinでオヤイデのコネクタでもハマりましたので、別にこれ付属品として入れなくてもよかったのでは...

よくわからない

デザイン

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本体はRE800と同様に真鍮筐体に金メッキを施したもの

この見た目もまためっちゃかっこいい

耳かけ専用となっているわけですが、内側のカドが当たるためかいい感じにポジションを決めないと長時間使用で耳が痛くなってしまいますがこれは個人差

少しだけ気になるのがステム

全体的に丸っこく大きな形状ですので、JHほどとは言いませんがもう少しステムを長くしてくれた方がより耳穴に入り込んでフィットしたのではないかと思います

イヤーピースの微妙な感じと相まって装着感という点については難しいところではありますね

 

音質

しかしまあ色々と思うところはあるものの、そんな不満も吹っ飛ばしてくれるほどの音になっているのでどうしようもないです

これはもうとてつもない

本当にイヤホンなのか

改めて聴いたわけですが、やはり思わず笑いがこみあげてくるくらいです

スピーカーとまでは言わないけど、高級ヘッドホンと十分渡り合えるような高品位な仕上がり

どの帯域が云々というのはもはや野暮な話で、音の拡がりや空気感が絶妙

 

RE800と並べて販売されているわけですが、単純にその上位互換機と言ってしまうことはできそうにありません

前述の通りRE800は高域が特徴的で若干の癖のようなものを感じる音であったのに対し、RE2000はフラットで万人受けしやすい、誰にでもおすすめできる優等生サウンド

強いて言うならば低域に強いとった印象でしょうか

包み込むような低音の鳴らし方や重低音も逃さない帯域の広さという点から独特の臨場感を生み出せているように思います

また高域はいやらしさがなく自然で、音源を問わずその良さを最大限引き出してくれるような非常に高いポテンシャルを感じさせてくれます

ヴォーカルが埋もれてしまうようなこともなく分離が非常に良いため一音一音逃さず聴きとれるのですが、モニターイヤホンにありがちな無機質な印象が一切なく、リスニングイヤホンの最高峰と言ってしまっても良いのではないでしょうか

 

何人かRE2000をレンタルした方がそのまま買い取りということになってしまっていることからもわかるように、本当にすんごいイヤホンであることは確かです

また今月中の購入であれば各販売店にてキャンペーン価格として16万円ほどで買えるわけです

はっきり言ってこの完成度からしたら16万なんて安いもの

そうは言ってもやはり高級なイヤホンの部類に入るため、おすすめされたところでおいそれと買うわけにもいかないでしょうが、やはり一度でいいからご自分で聴いてみていただきたいというのが正直なところです

 

ただ、どちらのイヤホンに関してもインピーダンスが60Ωとかなり高めの数値となっております

特別出力の高いDAPでない限りはアンプを通さないとしっかりと鳴らしてあげることは難しいですのでそこだけはご注意ください

 

 総評

結局のところ、どちらかを選べだなんてことは難しくて、どちらもそれぞれの個性があってですね

 

どっちも欲しい

 

総額25万超えはさすがに手が出せません

返却するのが惜しいです